ニキビとは、毛包(毛穴)にある皮脂腺(皮膚を潤すためのあぶらをつくるところ)からの皮脂がうまく排出されずに溜まることによって出来る白ニキビ(面皰(めんぽう)、たまった皮脂が古くなった結果として酸化して黒くなった黒ニキビ、汚れた皮脂に菌が繁殖した赤ニキビ(膿疱)を総称したものです。本来サラサラである皮脂がネバネバと粘調度が高くなり、皮膚の角質が分厚くなり毛穴が塞がるとニキビになります。
大人ニキビの場合、皮脂がネバネバする原因としてはホルモンバランス、ストレス、食事、便秘などが考えられます。また皮膚の角質が分厚くなる原因は皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の乱れであり、この原因もホルモンバランス、ストレス、食事、便通などが考えられます。いずれの原因もほぼ共通していますが、これらは一時的なものではなく生活習慣や体質などに大きくかかわっているため改善したくてもなかなか簡単にはいかないことが多いです。大人ニキビは簡単に治りにくいのはこのためです。
ニキビには大きく分けて、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビなどと呼ばれるものがあり、それぞれ状態にあった治療を行わないとニキビなかなか改善しません。治療法の判断を誤るとどれだけ長い間続けてもニキビが改善しないことが多いです。以下に当院における代表的なニキビの治療方針を記載します。
ルミナス社のフォトフェイシャル「M22」は7種類の異なる光(波長)で構成されており、一人一人の肌の状態や悩みにあわせて照射する光を選択・調整することができる点が最大の特長です。ニキビ・ニキビ跡治療においては、赤みを除去する効果が期待できる赤ら顔専用フィルターやコラーゲン産生作用のあるフィルターなどを肌の状態にあわせて使用して症状の改善を目指します。当院では施術のたびに医師がニキビの状態を毎回診察・確認し、波長や仕様フィルターを調整した上でオーダーメイドの治療を行っています。
成長因子トックスピールによる臨床結果(Antera3Dによる分析)
※ボリュームに大きな改善が見られた。
EGF、FGF、ナイアシンアミなどの成長因子を配合した成長因子トックスピールは、線維芽細胞を刺激して皮膚内におけるコラーゲン産生やエラスチン産生を促進します。これによって内側から皮膚細胞が再生しターンオーバーが促進されニキビの赤みやニキビ跡を改善することができます。
ウーバーピールは、抗炎症作用やコラーゲン再生促進といった効果をもつマンデル酸を主成分としたピーリング剤です。炎症性ニキビの改善に効果的で、特に背中ニキビ治療において多数の症例があります。背中ニキビの他、毛穴の黒ずみ、ブツブツなどの改善にも適しています。またダーマペンを使用するため創傷治癒効果による美肌効果も期待できます。
マスクを装着すると皮膚には雑菌や汚れが溜まりやすくなりますが、抗炎症作用やコラーゲン産生促進の働きを持つマンデル酸を主成分としたウーバーピールは炎症性の赤ニキビや肌荒れ改善効果が期待できます。他のピーリング剤と異なり、低刺激性の表皮アプローチ型である点も特徴です。
大人ニキビはストレスやホルモン、食生活の影響も多分に受けているため、保険診療では処方していない内服薬の処方は治療にも効果的です。
ホームケアでは、院内で行うケミカルピーリングと同じ効果を得るものとしてディフェリン、サリチル酸ワセリン、過酸化ベンゾイルなどの処方を行っています。